みなみあその宝物

regional tradition
南阿蘇村

農家が生み出す風景たち

ASO GIAHS Landscape

  • 農業

南阿蘇村は、熊本県の阿蘇郡にあり約1万人の人々が暮らしているところです。
今でも昔ながらの農業を続ける畜産農家が点在し、あか牛の放牧や萱(カヤ)などの草資源を活用している地域で、冬の終わりに行われる「野焼き」も地元の住民にとっては大昔から続く毎年恒例の風物詩でもあります。

しかし時代は進み、農業技術の革新で現代的な農業様式に移行する畜産農家も多くなった昨今では、これまで当たり前に行われていた「野焼き」をはじめとする古来の草資源を活用した農業スタイルも廃れ始めているのが現状です。

私たちが知っている「あか牛」「野焼き」「草原」などは、すべて人の手によって永続的に行われてきた持続可能な農業のかたちです。遺された歴史ではなく、自然と共生しながら、互いに影響し合い生き続ける未来への可能性、それが「阿蘇世界農業遺産」なのです。

みなみあそ観光局では『阿蘇世界農業遺産体感スポット』を村内に3箇所設けて、より体験的に阿蘇の文化に触れて知ってもらえる空間作りを行っています。

柿野山田牧野

阿蘇の草原は、単に牧野としてではなく「牛馬の飼料」や「茅葺き屋根」、田畑における「肥料の材料」として昔から重宝されてきました。現代においても全国にある数少ない「茅葺き屋根」の萱(カヤ)の産地としても活用されています。また阿蘇の草原には独自の環境で生息している希少な生き物も数多く、その生物たちにとって人の手に維持されている草原は必要不可欠な空間となっています。

なお、一般的に放牧は「野焼き」の後、新芽の出始める4月ごろから、霜のおり始める11月ごろまで行われます。

ホタルの里

阿蘇地域の豊富な湧水は、実は広大な草原による恩恵であることをご存知でしょうか?

この阿蘇地域に降った雨水が福岡を含む500万人の喉を潤しています。そんな阿蘇の湧水で育つ田園のお米や農作物は多くの人々の心と体を満たしてくれます。また、阿蘇はきれいな水のおかげで多くの希少な水生生物の住処として生き物の楽園となっています。

佐竹さんの藤棚

阿蘇の大地は、カルデラ地形(火山活動によって隆起した大地がマグマ噴出後に陥没してできた窪地)の中に、約5万人の人々が暮らし、しかもその中央の火山が現在も活動をしているという世界でも珍しい地域です。阿蘇五岳と南外輪山の間にある南阿蘇村は、この大地の荒々しくも雄大な自然を感じることができます。

 

農作物の購入について

南阿蘇で採れる野菜は、道の駅あそ望の郷くぎの「物産館 あじわい館」にてご購入いただけます。また、南阿蘇産のあか牛は、道の駅あそ望の郷くぎの「あか牛の館」にてご購入いただけます。

 

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